すべてのことばが起こりますように

江藤健太郎

初小説集

愛、笑い、海、狂気、デジャブ、旅をめぐる「人間」たちの物語。
「書きたいから書いた。出したいから出した」
既存の文芸の枠の「外」から突如やってきた破格の初小説集。

江藤健太郎『すべてのことばが起こりますように』

発行所:プレコ書房
発売日:2025年4月28日
判型:128mm×182mm B6判並製 192ページ
造本:カバーなし ニス仕上げ 帯ステッカー付き
価格:2,000円(税込2,200円)
装画・装丁・本文レイアウト:柿木優
解説:郡司ペギオ幸夫
編集:江藤健太郎
印刷・製本:藤原印刷
ISBN:978-4-9913956-0-4
注意事項:
 書籍にスリップはございません。
 帯代わりのステッカーを貼付しております。
 剥がしてステッカーとしてもお使いいただけます。
 その際はゆっくり剥がすようお願いいたします。

解説・推薦

郡司ペギオ幸夫(科学者・早稲田大学教授)

読み終わって、冬の浜辺で一人焚き火をしていた、存在しない記憶を思い出した。

「すべてのことばが起こりますように」の主人公であるウジャマ(内山)はデジャブとしての生を繰り返す。デジャブとして生き続けるこの感じをきっかけに、本解説もまたデジャブ体験のように書き連ねられることになる。

ああ、江藤くんですか、知ってますよ。よく覚えてます。彼は私の授業の第一回の講義で、授業が終わると教卓に走り込んできましてね、言うんですよ。「郡司さん、早稲田の理工で郡司さんの授業わかるの、俺以外いませんよ」ってね。《解説より》

◎江藤健太郎による初作品集。表題作の長編を含め5篇所収。執筆4年、制作半年の歳月を経て、ついに刊行。第1刷300部発行。

『天然知能』『やってくる』『創造性はどこからやってくるか』など革新的著作を発表し続ける異能の天然知能科学者・郡司ペギオ幸夫氏による書き下ろし解説所収。

◎著者自らが企画・編集すべて手掛けた渾身の一冊。装画・装丁はデザイナーの柿木優、印刷・製本は藤原印刷。自主制作本ながら本格的な仕上がりとなっております。

◎この先ずっと小説を書いていきたい人、新人賞に応募し続ける以外の道を探っている人、いつか自分で本を出そうとしている人、そんな人たちへ。

◎本書のために描き下ろされた柿木優による精緻な鉛筆画をはじめとし、表紙に板紙、本文用紙にコミックス紙、帯代わりにステッカーを貼付した画期的な造本。シンプルながら新しい装丁になっております。

目次とあらすじ

(一部試し読みアリ)

隕石日和(短編20枚)

◎試し読みアリ(上記タイトルをクリック)

ある晴れた日、「わたし」がベランダで洗濯物を干している。すると隣のベランダに「誰か」が出てくる気配がする。しかしそれはおかしい。隣室は空室のはず。蹴破り戸のせいで「誰か」の姿は当然見えない。警戒する「わたし」を見透かすように、「誰か」が「わたし」に喋りかけてくる。「そこにいるんだろ! まあ話そうや」。まるで人間そのものみたいな二人の対話が始まる。

◎試し読みアリ(上記タイトルをクリック)

朝四時、波打ち際、男が目を覚ます。波に飲み込まれそうになる痩せた身体。男の名はウジャマ。愛すべきウジャマ。起き上がったウジャマは神奈川から東京へと放浪の旅を始める。道中、ウジャマは様々な人に話しかけられる。仕事を飛んだ女、新興宗教の教祖、家出中の老婆、失恋し言葉が止まらなくなった男……。果たして、ウジャマはどこから来たのか何者なのかどこへ行くのか。愛、笑い、海、狂気、デジャブ、旅をめぐる「人間」たちの物語。

二回戦(短編20枚)

「カフカ短編賞」の授賞式に出席するために大学のキャンパスを訪れた「わたし」は、自身の作品が受賞しなかったことに不満を抱き、授賞式を襲撃する計画を立てている。式が始まる。受賞者の嬉光一が舞台上で受賞スピーチを始める。「皆さま、わたしはカフカの作品を読んだことは一切ございません」。呆気に取られる「わたし」をよそに、嬉光一による長い告白が始まる。「わたしは神奈川県の国府津という小さな町に生まれました」

ドリフター(短編40枚)

ある日、大学院生の佐村のもとに、社会人になった友人の月川から電話がかかってくる。月川は海に行こうと佐村を誘う。佐村はギョッとする。学生時代、月川は度々佐村に自殺を仄めかしていた。その度に、佐村は「じゃあ死ぬ前に海でも行こうや」とたしなめていた。そのことが一気に思い出された。落ち着かない佐村と微動だにしない月川は新宿で合流し、熱海行きの電車に乗る。

一瞬、針(短編20枚)

南米映画を専攻する大学院生の寺尾は、岐阜県の海水浴場で開催される「お月見映画祭」に参加する。現地で寺尾は映画祭スタッフの河野と出会う。会場では、砂浜の上に直接スクリーンが置かれ、並べられたパイプ椅子にはぎっしりと老人が詰まっている。一人にされ奇妙な不安に駆られる寺尾。それを察知したかのように消えたり現れたりする河野。突然、河野による長いひとり語りが始まる。「寺尾さん、わたしはずっとラクゴし続けてきたんです」

解説 デジャブとしての生をデジャブの連続として描いた小説

郡司ペギオ幸夫(科学者・早稲田大学教授)

辞世の句は「あれ、デジャブかな」にしろよ、と私に言ったのは、共同研究をしている日本画家、中村恭子氏である。最期に及んで「浮世のことは夢のまた夢」という感慨は、いかにも成功者のものだ。そうではなく、生きてきて、ようやく死に際になって、「あれ、なんかこれ、昔もあったような」という気分と、しかし同時に、まだ一度も死んでないんだから、「ああ、デジャブに違いない」という感じが伴っていて、デジャブですらない。デジャブですらないが、「デジャブかな」という体験は、このいまを拓いていく。

著者

江藤健太郎(えとうけんたろう)

1999年、神奈川生まれ。会社員。2018年から小説を書く。
好きなものは、魚。2025年、版元「プレコ書房」を立ち上げ、
初小説集『すべてのことばが起こりますように』を刊行。

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